ベートーヴェン、ルートヴィヒ・ヴァン |
Ludwig van Beethoven |
《C. F. ペータース宛て書簡の下書き》(自筆) |
書簡の下書き(自筆) 日付なし(ウィーン 1825年) ベートーヴェン(1770~1827年)が、1825年11月25日にライプツィヒの音楽出版者C. F. ペータースに宛てた書簡の下書き。署名および日付の記載はない。 この下書きで、ベートーヴェンは前受け金に見合う作品として1曲の弦楽四重奏曲(作品130とされる)を提案しようと思案している。実際に送られた手紙は、ベートーヴェンの甥のカールが清書し、ベートーヴェン本人は署名をしたのみである(現在ボンのベートーヴェン研究所が所蔵。https://www.beethoven.de/en/media/view/6029884530884608/scan/0 参照)。清書が事務的な文面であるのに対して、ここに見るベートーヴェン直筆の下書きは文章が異なり、文中にはフランス語で “je vous lasse come Marchand coquin”(勝手にしろ、えげつない商売人め)という悪態まで書き込まれている。清書には見いだせないベートーヴェンの内心が、にじみ出ている。 南葵音楽文庫の母体である南葵音楽図書館が、1927年頃にベルリンの音楽専門古書店で購入。『蔵書目録(貴重資料)』(1970)に記載された「レオ・リープマンスの意見」(正しくはレオ・リープマンスゾーンの鑑定書)という本資料の添付文書の存在は、現在確認できていない。詳細及び邦訳は、『南葵音楽文庫紀要』第1号(和歌山県立図書館、2018)p. 58-61を参照。 |