ルルー、シャルル |
Charles Edouard Gabriel Leroux |
《扶桑歌 日本行進曲》(ピアノ曲版) |
出版譜 パリ 1886年 フランス陸軍軍楽隊長シャルル・ルルーは1884(明治17)年フランス軍事顧問団の一員として来日、陸軍省の要請により顧問団帰国後も日本にとどまり陸軍軍楽隊の育成にあたった。5年にわたる在任期間中に演奏の指導ばかりでなく音楽理論や読譜、写譜など音楽の基礎から教授。日本吹奏楽の師と称される。ルルーはパリ音楽院でピアノ、作曲を学んだ異色の軍楽隊長である。日本でも軍楽隊教師のかたわら作曲家としても活躍、外山正一の新体詩による《抜刀隊》は特に有名である。日本伝統音楽の研究にも取り組み、日本の旋律に基づく作品を多く残している。 行進曲《扶桑歌》は、来日の翌年に吹奏楽曲として作曲、明治天皇に献上され、皇居で陸軍軍楽隊を指揮して初演。「扶桑」は日本国の意。今日でも《分列行進曲》として演奏される。 徳川頼倫(1872-1925)は1897年のヨーロッパ視察旅行の際、リヨン駐在のルルーを訪れ楽譜を贈呈された。表紙にルルーの献辞と署名がある。南葵文庫が受け入れた楽譜第1号でもある。(「日本と中国の歌」の項参照) |