ルルー、シャルル |
Charles Edouard Gabriel Leroux |
《日本と中国の歌》第1集(ピアノ曲版) |
出版譜 パリ 1886年 フランス陸軍軍楽隊長シャルル・ルルーが日本滞在中に作曲した吹奏楽曲のピアノ曲版。作曲者ルルーは当時陸軍省の要請により陸軍軍楽隊の育成にあたっていた。滞日中日本の音楽の研究にも取組み、日本の旋律に基づく作品を多く残している。《日本と中国の歌》もその一つで日本の俗謡や当時流行していた明清楽に基づいて作曲された。 第1集で用いられた旋律は《春雨》《ひとつとや》、自作《抜刀隊》、明清楽《茉莉花》《漫波流水》である。 作品は陸軍近衛都督有栖川宮熾仁献呈され、1887(明治20)年3月17日鹿鳴館で開かれた「日本音楽会」で吹奏楽初演。表紙絵は当時日本で風刺画家として活躍していたジョルジュ・ビゴー(1860-1927)による。 徳川頼倫は1897年ヨーロッパ視察旅行中にリヨン駐在のルルーを訪れ、《扶桑歌》とともにこの楽譜を献呈された。2冊とも表紙にルルーの献辞と署名がある。楽譜はのち「南葵文庫」に収められた。(「扶桑歌」の項参照) |