ベートーヴェン、ルートヴィヒ・ヴァン |
Ludwig van Beethoven |
《ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2 〈月光〉》(日本初版) |
出版譜 音楽社出版部 1909(明治42)年8月10日刊 日本で最初に刊行されたベートーヴェンのピアノソナタ《月光》。《月光》は明治期にもっとも好まれた楽曲でしばしば演奏されていたが、楽譜の紹介は1907(明治40)年3月から12月にかけて5回にわたり雑誌『音楽』(楽友社)に連載されたのが最初である。2年後に雑誌の版下をそのまま用い、ピース楽譜として刊行された。刊行物には楽譜限定と、無署名ながら乙骨三郎による解説(ベートーヴェンの肖像図版3点を含む)が付されたものとの2種がある。底本は1880年頃にライプツィヒのペーター社から出版されたルイス・ケーラー校訂《ベートーヴェン・ピアノソナタ集》による。 徳川頼貞は早くからピアノのレッスンを受けており、国内版も刊行早々に購入したようである。表紙に「Raitei」のサインおよび当時弟治とともに過ごしていた麻布我善坊町の徳川家別邸「Gazenbocho/Tokugawa」の印がある。のち「南葵文庫」に収められた。 注)本資料は文庫製本時の乱丁がある。画像は利用の便宜上本来の形に修正して収録した。付録解説は右綴じのため巻末38コマより開始(29コマまで)。 |